「고인물」ってどんな意味?褒め言葉にも悪口にもなる韓国語スラングを解説

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この記事を読めば「고인물(コインムル)」がどういう意味でどんな場面で使われているのかがしっかりわかります。

韓国のゲーム実況やコミュニティで頻繁に見かけるこの単語、なんとなく「すごい人」を指すのは伝わるけど、正確な意味やニュアンスまでは掴めていない方も多いんじゃないでしょうか。

韓国語を学び始めた頃にこの言葉に出会って、直訳の意味とネットでの使われ方があまりにも違っていて驚いた記憶があります。

今回はその成り立ちから使い方、似た言葉との違いまでじっくり掘り下げていきますね。

目次

고인물(コインムル)とは?基本の意味と読み方

ここでは고인물の(コインムル)直訳と実際に使われている意味の違いを整理します。

直訳は「溜まった水」

고인물は「고이다(溜まる)」と「물(水)」がくっついた言葉で、そのまま訳すと溜まった水、つまり停滞水という意味になります。

読み方はローマ字だと「goinmul」で、カタカナ表記だと「コインムル」に近いです。

北朝鮮語の辞書には

「田んぼに溜まって作物を傷める深さの水」

という農業用語としての説明も残っていて、もともとは農作業の現場で使われていた言葉らしいんですよね。

実際に使われている意味

でも今ネット上で見かける고인물は、水そのものの意味ではなく比喩表現として定着しています。

韓国の国立国語院が運営する国語辞典우리말샘には

「ゲームを長くやった上級者を指す新造語で、一つの場所に長くいる人々を指す言葉としても使われる」

と記載されているんです。

つまり公式な辞書にも載るくらい、社会に浸透した表現になっているということですね。

ざっくり言うと特定の分野やゲームに長年打ち込んで圧倒的な経験と実力を身につけた人を指す言葉だと考えていいと思います。

고인물の由来 開発者の発言から広まった経緯

ここを読むとなぜ「水」がゲーマーを指す言葉になったのか腑に落ちるはずです。

発端はマビノギ英雄伝のディレクター発言

この言葉が今のかたちで広まったきっかけは、オンラインゲーム「마비노기영웅전(マビノギ英雄伝)」の当時のディレクターだった한재호氏の発言だと言われています。

彼が「新規ユーザーの流入がなければ고인물のようになる」と発言したことがきっかけで、この言い回しがユーザーの間で広まっていったんですよね。

もともとは「新規ユーザーが必要な状況」を説明するための比喩だったみたいです。

意味が逆転して定着した理由

ところが実際に広まったのは発言の意図とはちょっとズレたかたちでした。

ユーザーたちは「新規流入がない状態」よりも「既存プレイヤー=停滞した水」というたとえのほうに注目してしまい、既存の古参プレイヤーそのものを고인물と呼ぶ風潮が生まれたんです。

当時のマビノギ英雄伝はリリースからまだ1年程度しか経っていないゲームだったそうで、その発言と評判の悪かったアップデートが重なって、ディレクター自身が皮肉として고인물扱いされたという経緯もあったみたいです。

言葉の生まれ方としてはなかなか面白いドラマがあるなと個人的には感じています。

使い方を例文で確認 褒め言葉にも皮肉にもなる

ここではにどんな場面でこの言葉が使われているのかをニュアンスの違いに注目して見ていきます。

尊敬や称賛のニュアンスで使う場合

고인물にははっきり言うと二つの意味があります。

一つは尊敬や称賛の意味であるゲームのすべてのパターンを把握していて、初心者には到底追いつけないレベルの実力者を指すケースです。

たとえば「이게임고인물이시네요(このゲームの고인물さんですね)」と言えば、長年のプレイで培った知識や技術への敬意を込めた表現になります。

単語投稿型ゲーム「끄투코리아」では、攻撃単語も防御単語も長文まで自在に扱えるレベル300から630あたりのユーザーを고인물と呼ぶ文化があるそうで実力への賛辞として根付いている一例だと思います。

皮肉や排他性への批判として使う場合

一方でもう一つの使い方はかなり手厳しいものです。

狙いを狭く取ると、고인물は新規ユーザーを排除して説教くさい態度を取り、参入障壁を上げてしまう古参プレイヤーを指す蔑称として使われることもあります。

新規者に対してマウントを取ったり、必要以上に古いルールを押し付けたりする様子を指して「고인물の꼰대짓(お節介ジジイ的な振る舞い)」と揶揄されることもあるんですよね。

褒め言葉なのか皮肉なのかは文脈と話し手の関係性で決まる部分が大きいので、そのあたりは注意が必要かもしれません。

썩은물・해골물との違い 強度が上がる派生語

ここを読むと고인물から派生した言葉のグラデーションが理解できます。

썩은물は「もっと腐った水」

고인물よりもさらに強度を上げた表現が썩은물(腐った水)です。

Wiktionaryでは고인물の強調形として説明されていて、ナムウィキの解説でも「고인물よりさらに実力がある」というニュアンスで冗談交じりに使われると紹介されています。

「저사람진짜고였다.고이다못해썩었다
(あの人ほんとに溜まりすぎて、もう腐ってる)」

のような使い方が典型例である種、上級者への最上級の賛辞として機能している感じですね。

해골물はさらに上の段階

そして最上位に位置づけられるのが해골물(骸骨水)です。

ゲームコミュニティの投稿を見ると、해골물は「累積プレイ時間がとにかく長く、技術や装備の面で常人離れしたレベルに達した人」を指す言葉として使われていて、고인물=썩은물=해골물が同じ系列の言葉ながら強さの度合いだけ違うという整理がされていました。

他にも공장폐수(工場排水)や방사능폐수(放射能廃水)、화석(化石)といったいわば冗談の延長線上にある呼び方も存在するそうです。

ここまで来るとほぼギャグの領域に入っている気もしますよね。

ゲーム以外にも広がる使い方

ここを読むと고인물がゲーム用語の枠を超えていることがわかります。

ヒップホップや自転車など趣味コミュニティ

Redditの韓国語学習コミュニティでのネイティブスピーカーの説明によると、고인물はもともとゲーム、特にPUBGコミュニティから広まった言葉ですが、今では特定の分野に長くいて熟練した人全般を指すように意味が広がっているそうです。

たとえばヒップホップシーンで長年活動しているベテランラッパーや、何十年も自転車に乗り続けてきた人を指して고인물と呼ぶケースもあるとのことでした。

ゲームという枠を飛び出して、経験の蓄積そのものを表す言葉に育っている印象を受けます。

参考:https://www.reddit.com/r/Korean/comments/c2pnf2/korean_slang_of_the_day_%EA%B3%A0%EC%9D%B8%EB%AC%BC/

職場やキャリアの停滞感を表す比喩

さらに驚いたのは海外メディアがこの言葉をキャリアや働き方の文脈で取り上げていたことです。

オーストラリアのメディアSMHの記事では、韓国発のスラングとして고인물を紹介していて、同じ職位に長く留まり成長が止まってしまったように感じる人の心理状態を表す言葉だと解説していました。

ゲーム用語が労働観や自己成長への不安感まで表現できる言葉に変化しているのは、正直なところ想像していなかった広がり方だなと感じています。

eスポーツの世界でもValorantの大会タイトルに「Goinmul」という名前が使われるなど、競技シーンでベテランプレイヤーの支配力を表す言葉としても浸透しているようです。

日本語で言うとどんな言葉が近い?

ここでは고인물に近い日本語表現との違いを比べてみます。

日本語で近い言葉を挙げるなら「古参」「廃人」あたりが候補になると思います。

ただ、細かく検証していないので断定はできないんですが、고인물は称賛と皮肉のどちらの意味にも転ぶ振れ幅の広さが特徴的で、日本語の「古参」よりもやや軽く、からかいのニュアンスが強めに乗っている印象があります。

逆に「廃人」は熱中度の高さに重きを置いた言葉なので、고인물が持つ「新規者との対比」という構造とはちょっとズレがあるように思います。

ニュアンスを完全に一致させる日本語は正直なところ存在しないんじゃないかなという気もしています。

使う際に気をつけたいポイント

고인물を使う場合、相手との関係性や場の空気を読むことがけっこう大事になってきます。

親しい間柄でのジョークならいいですが初対面や目上の人に対して迂闊に使うと、ちょっと失礼に受け取られる可能性もあるので気をつけたいところですね😅

まとめ

  • 고인물は「溜まった水」が直訳でゲームなど特定分野の長期熟練者を指すスラング
  • 마비노기영웅전のディレクター発言が広まったきっかけとされている
  • 尊敬の意味と皮肉の意味の両方があり、文脈で判断する必要がある
  • 썩은물・해골물は고인물をさらに強調した派生表現
  • 最近はゲームだけでなく趣味やキャリアの文脈にも意味が広がっている

言葉一つでこれだけ多面的な使われ方があるのは、韓国語のネットスラングらしい面白さだなと改めて思いました。

使うときはニュアンスを見極めながら自然に取り入れてみてくださいね。

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