League of Legends(LoL)をプレイしていて、突然とても強い対戦相手と出会ったことはありませんか?それは「スマーフィング」という行為かもしれません。
この記事では、スマーフィングの意味、その影響、そして問題点について詳しく解説していきます。
スマーフィングを理解することによってゲーム体験を向上させて、より公平な対戦環境を作り出すヒントが得られます。
なぜプレイヤーがスマーフィングを行うのか、それがゲームバランスにどのような影響を与えるのかを知ることで、自分自身のプレイスタイルを見直すきっかけにもなるでしょう。
この情報を知らずにプレイを続けると、不公平な対戦に悩まされ続けたり、自身が成長する機会を逃してしまう可能性があります。
この記事を通してスマーフ(Smurf)に関する知識をつけてしっかり理解してゲームを楽しみましょう。
スマーフ(Smurf)とは
スマーフとは、League of Legends(LoL)において、プレイヤーが本来の実力よりも低いレベルやランクで意図的にプレイすることを言います。
具体的には、高ランクのプレイヤーが新しいアカウントを作成して低ランクの対戦相手と戦うことを意味します。
スマーフという用語の由来
1996年、Warcraft IIというゲームで「スマーフ」という言葉が生まれました。当時、ShlonglorとWarpという2人のとても優秀なプレイヤーがいました。
この2人は自分たちの実力があまりにも有名になりすぎたため、他のプレイヤーが彼らとの対戦を避けるようになってしまいました。
この状況をなんとかするためにShlonglorとWarpは新しいアカウントを作成することにしました。
そして、これらの新しいアカウントに「PapaSmurf(パパスマーフ)」と「Smurfette(スマーフェット)」という名前を付けました。
この名前は、当時人気だった青い小人のキャラクター「スマーフ」にちなんでいます。
ShlonglorとWarpがスマーフという名前を選んだ理由は明確ではありませんが、おそらくスマーフの特徴である「小さくて可愛らしい」というイメージが、彼らが目指していた「無害で初心者っぽい」印象と合致したからだと考えられます。
スマーフィングが広がった
この新しくアカウントを作る方法は非常に効果的でした。他のプレイヤーは、PapaSmurfとSmurfetteが実際には非常にスキルの高いプレイヤーだとは気づかず、いろいろな人と対戦するようになりました。
この行為は「スマーフィング」と呼ばれるようになり、その言葉は急速にWarcraft IIコミュニティ全体に広まりました。
プレイヤーたちは、高スキルのプレイヤーが新しいアカウントを作成して初心者を装う行為を「スマーフィング」と呼ぶようになりました。
スマーフィングをする主な理由
新しいチャンピオンやロールの練習
多くのプレイヤーがスマーフアカウントを作成する最も一般的な理由の1つは、新しいチャンピオンやロールを練習するためです。
メインアカウントでは、ランクを落とすリスクを避けたいという心理が働きます。スマーフアカウントを使用することで、プレイヤーは自分のスキルレベルよりも低いレベルの対戦相手と対戦しながら、新しいプレイスタイルを試すことができます。
こうすることで、プレッシャーの少ない環境で実験的なプレイが可能になるのでスキルの幅を広げることができます。
フレンドとの対戦
スマーフィングのもう1つの大きな理由は、ランクの低いフレンドと一緒にプレイするためです。
高ランクのプレイヤーが自分のメインアカウントを使用すると、マッチメイキングシステムによってフレンドが不利な立場に置かれてしまう可能性があります。
スマーフアカウントを使用することによって気軽に友人とプレイを楽しむことができて、ゲームを一緒に楽しむことができます。
ランク上げの達成感
一部のプレイヤーにとってのスマーフィングの魅力は、短期間でランクを上げる達成感にあります。
低ランクから始めて素早くランクを上げていく過程は、一種の挑戦として捉えられることがあります。
この過程でプレイヤーは自身のスキルの向上を実感してゲームに対する新たなモチベーションを見出すことができます。
長いキュー時間の回避
高ランクのプレイヤー、特にマスターやチャレンジャーランクのプレイヤーは、マッチメイキングプールが小さいため、とても長いキュー時間に悩まされることがあります。
30分以上待つこともあり、これはゲームを楽しむ上で大きな問題となります。スマーフアカウントを使用することで、より短いキュー時間でゲームを楽しむことが可能になります。
ストレス軽減とリラックス
メインアカウントでのプレイは常にベストを尽くす必要があるため、ストレスが負担になることがあります。
スマーフアカウントを使用することで、プレイヤーはより気軽にゲームを楽しむことができます。
勝敗にこだわらず、純粋にゲームを楽しむことができることから、ゲームに対する新鮮な気持ちを取り戻すことができます。
アカウント販売
一部のプレイヤーは、スマーフアカウントをゴールド、プラチナ、ダイヤモンド、マスターなどの高ランクまで上げた後、それを販売することがあります。
これは、ランク上げに時間をかけられない、あるいはスキルが足りないプレイヤーにとって魅力的な選択肢となっています。
配信者やプロプレイヤーの練習
多くの配信者やプロプレイヤーは、視聴者や対戦相手に認識されることなくプレイするために、スマーフアカウントを使用します。
こうすることで、新しい戦略を試したり、より自由にプレイしたりすることができます。
他にも、「アンランクからマスターまで」のような企画を行う際にも、スマーフアカウントが活用されます。
バンの回避
残念ながら、一部のプレイヤーは、メインアカウントがバンされた後に新しいアカウントを作成することがあります。
これは、ゲームコミュニティにとっては望ましくない行為ですが、スマーフィングの理由の1つとして挙げられます。
スマーフィングの問題点
スマーフィングがもたらす主な問題点について詳しく解説していきます。
ゲームバランスの崩壊
スマーフィングの最も大きな問題は、ゲームバランスを思いっきり崩すこととなります。
高スキルのプレイヤーが低ランクの試合に参加することで、対戦が一方的になりやすくなります。
こうなってしまうと、真剣にプレイをしようとする低ランクプレイヤーのモチベーションが下がり、ゲームの公平性が損なわれてしまいます。
新規プレイヤーへの悪影響
スマーフィングは、特に新規プレイヤーに対して重大な影響を与えます。
ゲームを始めたばかりのプレイヤーが、経験豊富なスマーフと対戦することになれば圧倒的な実力差を感じ、ゲームへの興味を失ってしまう可能性があります。
これは、長期的にみるとゲームの人口減少にもつながりかねない問題となります。
ランクシステムの信頼性低下
スマーフィングは、LoLのランクシステムの信頼性を低下させます。
本来、ランクシステムは同程度のスキルを持つプレイヤー同士を対戦させることを目的としていますが、スマーフの存在によってこのバランスが崩れてしまいます。
結果として、プレイヤーの本当の実力を正確に反映できなくなる可能性があります。
トキシックな行動の増加
スマーフアカウントを使用するプレイヤーは、メインアカウントと比べてより攻撃的な態度を取りやすい傾向があります。
これは、サブアカウントがバンされても大きな損失にならないという心理が働くためです。その結果、ゲーム内のコミュニティ全体の雰囲気が悪化してプレイヤー間の対立、喧嘩が増加する可能性があります。
コンテンツクリエイターの影響
多くのLoLコンテンツクリエイターがスマーフアカウントを使用してコンテンツを制作しています。これによって視聴者にスマーフィングを正当化する風潮が生まれ、問題をさらに悪化させる可能性があります。
そして、スマーフアカウントの売買を宣伝するサイトも存在し、この問題を悪化させています。
MMRシステムへの影響
スマーフィングは、ゲームのMMR(マッチメイキングレーティング)システムにも悪影響を及ぼします。連勝したプレイヤーのMMRが急上昇し、その結果スマーフと対戦させられるケースが増えています。
これによってプレイヤーは実力以上に難しい対戦を強いられ、不満が溜まりやすくなります。
解決策の難しさ
Riotゲームズもスマーフィングの問題を認識しており、対策に取り組んでいますが、完全な解決は困難となっています。
アカウント作成の容易さや、プレイヤー数の多さから考えてすべてのスマーフを特定し、対処することは現実的ではありません。
プレイヤーコミュニティの分断
スマーフィングに対する意見は、プレイヤーコミュニティ内でも分かれています。一部のプレイヤーはスマーフィングを深刻な問題と捉えていますが、他のプレイヤーはそれほど重要視していません。
この意見の食い違いが、コミュニティ内の対立を生み出す原因となっています。
まとめ
League of Legends(LoL)における「スマーフィング」は、熟練プレイヤーが新規アカウントを作成し、低ランク帯で戦う行為のことを言います。
この習慣は1996年のWarcraft IIから始まり、現在では広く知られています。スマーフィングの主な動機には以下のようなものがあります。
- 新たなチャンピオンやロールの練習
- ランクの低いフレンドとのプレイ
- 短期間でのランク上昇による達成感
- 長いマッチング待ち時間の回避
- ストレス軽減
しかし、この行為にはゲームバランスを崩壊させるなど、深刻な問題点も存在します。
- 公平な対戦環境の破壊
- 新規プレイヤーの意欲低下
- ランクシステムの信頼性低下
- 攻撃的な態度、トロールの増加
- MMRシステムへの悪影響
Riotゲームズもこの問題を認識し対策を考えていますが、完全な解決は困難です。プレイヤーコミュニティ内でも意見が分かれていて対立を生んでいます。
結論として、スマーフィングはゲームの楽しさや公平性を損なう可能性が高く、LoLコミュニティ全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。この問題に対する話し合いや対策が必要ですね。
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