「빌런(ビラン・ビルラン)」って韓国のドラマやSNSでよく見かけるけど、正直「悪役」って意味だけじゃ説明できない場面が多いですよね。
この記事を読めば빌런の本来の意味から最近の使われ方、そして実際にどんな場面で使えば自然なのか、そのあたりがまとめてわかります。
韓国語を勉強してる人はもちろん、韓国のバラエティやSNSの投稿を読んでて「빌런ってなんだ?」と引っかかった人にも役立つ内容にしたつもりです。
「빌런(ビラン・ビルラン)」の基本の意味とは
まずは大前提として빌런がどういう言葉なのか整理しておきます。
元々は英語のvillain(悪役)
빌런は英語のvillain(ヴィラン)をハングルで表記したもので、映画やドラマ、漫画などに登場する悪役や敵役を指す言葉です。
国立国語院の우리말샘(開かれた辞典)にも、道徳的な基準に反する悪い行動をする人、あるいは基準には反しなくても他人に被害を与える人という説明が載っています。
マーベル映画のジョーカーなんかがまさにわかりやすい例で、主人公と対立する存在として使われる元々の意味ですね。
韓国語における빌런の使われ方
とはいえ、いま韓国で日常的に使われている빌런は映画の悪役という意味だけじゃないんです。
むしろ執着する対象や奇妙な行動をする人を指すケースの方が多い気がします。
たとえば치킨빌런(チキン빌런)はチキンにものすごく執着してる人、커피빌런はコーヒーがないと生きていけない人を指す言い方です。
この二面性がわかっていないと会話の中で意味を取り違えてしまうかもしれません。
「빌런(ビラン・ビルラン)」の語源をたどる
意味の変化を理解するには語源を追ってみるのが一番わかりやすいと思います。
ラテン語villaから始まった歴史
빌런の語源は実はラテン語のvilla(農場)にまでさかのぼるらしいです。
全く裏付けを取り切れていない部分もありますが複数の情報源で共通して語られているのは、古代ローマ時代に農場を持つ領主に従属していた農民をvillanus(빌라누스)と呼んでいたという話です。
villanus→villainへの意味の変化
このvillanusという農民たちが領主の横暴に耐えられず盗みや略奪をするようになったことで、次第に「粗野で無礼な人」というイメージが定着したそうです。
それがフランス語を経由して中世英語に入り、villainという単語になり、農民という最初の意味は消えて「悪人」という意味だけが残ったという流れです。
個人的には言葉の意味がここまで真逆に近い方向へ変わるのが結構意外で、調べていて素直に驚きました。
韓国で「빌런(ビラン・ビルラン)」が流行った理由
なぜ韓国でこれほど빌런という言葉が広がったのかその背景を見ていきます。
2016年半ば頃からネットスラングとして拡散
複数のソースを見ると빌런が今のような使い方で広まり始めたのは2016年の半ばくらいからだとされています。
もともとはディシインサイド(DCインサイド)というコミュニティのヒーローギャラリーで、創作物の悪役を指す言葉として使われていたのが、他のコミュニティに伝わる過程で意味が広がったという説が有力みたいです。
SNSやメディアでの広がり方
2018年の中央日報の記事ではネットユーザーが「何かに執着して奇怪な行動をする人」に빌런という呼び方をつけていると紹介されています。
ここからテレビのバラエティ番組やニュースでも取り上げられるようになって、一気に一般的な言葉として定着していったようです。
「빌런(ビラン・ビルラン)」の使い方と例文パターン
ここからは実際にどう使えばいいのか具体的なパターンを紹介します。
「〇〇빌런」の組み立て方
一番よく見る形が「対象+빌런」というパターンです。
執着している対象や、迷惑行為が起きる場所を前に置いて、その後に빌런をつけます。
図書館で騒ぐ人なら독서실빌런、駐車の仕方が下手な人なら주차빌런といった感じですね。
地下鉄の中で変わった行動をする人を指す지하철빌런という言い方もよく見かけます。
実際の例文で確認
이친구치킨빌런이네.일주일사이에치킨을다섯번이나시켜먹었대.
(この子チキン빌런だね。一週間でチキンを五回も注文して食べたらしいよ)
주인공이사실은빌런이었다니!
(主人公が実は悪役だったなんて!)
こういう風に悪役という原義のまま使う場合と、執着や癖を指す場合の両方があるので、文脈で判断する必要があります。
正直、最初は自分もこの使い分けが曖昧で韓国人の友人との会話で「え、それ悪口?」と一瞬戸惑ったことがありました。実際は悪意なく、むしろ親しみを込めてからかうニュアンスで使われることが多いんですよね。
ビジネスシーンで広がる「오피스빌런(オフィスビルン)」
빌런という言葉は職場という特定の文脈でも独自の広がりを見せています。
オフィスと빌런が組み合わさった新語
오피스빌런(オフィスビルン)は、오피스(オフィス)と빌런(悪役)の合成語で、職場で同僚に悪影響を与える人を指す言葉です。
もともとは服装が乱れている、悪口が多いなど可愛げのある程度の意味だったのが、最近は倫理観の欠如やハラスメントなど、企業経営に関わるレベルの深刻な問題として扱われるようになってきているようです。
具体的な오피스빌런(オフィスビルン)のタイプ分け
メディアでは오피스빌런をいくつかのタイプに分類している例があります。
何度指示しても動かない제갈공명빌런(諸葛孔明빌런)、定時になると仕事を放り出す신데렐라빌런(シンデレラ빌런)、新しい技術を学ぼうとしない흥선대원군빌런など、ネーミングがかなり凝っていて面白いんです。
責任転嫁をする人や、虚偽の被害申告をする人などただの困った同僚というレベルを超えたケースも実際に報告されています。
「빌런」を使う時に気をつけたいこと
実際に使う場面で意識しておきたい点をまとめておきます。
빌런は相手をからかったり茶化したりする時に使う言葉なので、使う相手や場面によっては気分を害してしまう可能性があります。
特に本来の「悪役、悪人」の意味で使ってしまうと、冗談では済まなくなることもあるのでそのあたりは注意が必要かなと思います。
まとめ
- 빌런はもともと英語のvillain(悪役)が語源で、映画やドラマの敵役を指す言葉だった
- 語源をさかのぼるとラテン語のvilla(農場)、そこから農民を指すvillanusという言葉に行き着く
- 現在の韓国語では悪役という原義に加えて、何かに執着する人や奇妙な行動をする人を指す使い方が広がっている
- 「対象+빌런」の形で치킨빌런、지하철빌런など様々な組み合わせで使われる
- 職場での問題行動を指す오피스빌런は、企業のハラスメント対策の文脈でも取り上げられる重要な言葉になっている
言葉の意味が時代とともに変わっていく様子が、빌런という一つの単語からもよくわかりますよね。
韓国語のニュースやSNSで빌런という表記を見かけたら、まずは前後の文脈から悪役なのか、それとも親しみを込めたからかいなのか判断してみるのがおすすめです。
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