この記事を読めば「와드」(ワドゥ)が何を指す言葉なのか、どんな場面でどう使えば自然に伝わるのかがわかります。
韓国のコミュニティで「와드박고갑니다」というコメントを見かけて、意味がわからず手が止まった。
ジムの雰囲気を調べていたら「오늘의와드」と書かれていて、また頭が真っ白になった。
そんな経験はありませんか。辞書を引いてもしっくりこないのは当然で、この言葉は意味が場面によって切り替わるからです。
韓国のネット文化を長く追いかけてきましたが、와드ほど「知っている人には当たり前、知らない人には暗号」という言葉も珍しいと感じています。
ここでは意味の仕組みから実際の例文、間違えやすい点まで順番にていねいに説明します。
와드(ワドゥ)の意味を最初に整理
ここを読むと와드が指す2つの意味と、見分け方の基本がわかります。
読み方と発音のコツ
ハングルは「와드」と書いて、カタカナでは「ワドゥ」と表します。
「와」は日本語の「ワ」にほぼ同じで、「드」は口を横に引いて短く言う「ドゥ」の音です。
日本語の「ド」ほどはっきり母音を出さないので、最後は軽く息を抜くくらいがちょうどいいと思います。
意味は大きく2系統
日常で出会う와드は次の2つです。
- ゲームの視界確保用の設置物。リーグ・オブ・レジェンド(韓国では「롤」、ロルと呼ばれます)などの対戦ゲームで使われる言葉です
- クロスフィットで毎日示される「その日の運動メニュー」。
Workout of the Dayの頭文字WODをハングルで写した言い方です
この2つは由来がまったく別です。
ただ、後で触れるように、ネットスラングとして広まったのはゲームのほうです。
見分け方は「そばにある言葉」
迷ったときは周りにある言葉を見ます。
「박다(パクタ、打ち込む)」「시야(シヤ、視界)」「댓글(テッグル、コメント)」があればゲーム由来。
「오늘의(オヌレ、今日の)」「크로스핏(クロスピッ)」「박스(パクス、クロスフィットのジム)」があれば運動の話です。
肌感ですがコメント欄で単独で置かれた「와드」や「ㅇㄷ」は、ほぼゲーム由来のほうだと思っています。
細かく数えたわけではないのであくまで感覚です。
ゲーム用語としての와드の仕組み
ここではゲームの와드がどんな道具で、なぜここまで重要視されているのかを理解できます。
戦場の霧を晴らす設置物
ゲームの와드はマップ上に置くと周囲の視界が開ける固定型のオブジェクトです。
普通、戦略ゲームでは通り道に置いて、そこを見張る目的で使います。視界がなければ敵の動きが読めません。
ですから、情報を取る道具として扱われるのです。
原型はウォークラフト3の警備用ワード
ゲーム用語としての와드の原型はウォークラフト3に出てくる設置型の装置にさかのぼります。
とくに、見張り用のワード(センチネル・ワード)が今の使い方に近い役割を持っていたとされています。
もともとは正式な翻訳で「수호물(スホムル)」と呼ばれ、韓国で配給された過去の作品では「워드(ウォドゥ)」と表記された時期もあったそうです。
この「ward」という英語の発音はハングルでは正確に書き表せない音です。日本語でいうと「ウォード」に近い音ですが、韓国語では「와드」に落ち着きました。
言葉が定着していく過程で発音しやすい形に変わったのだろうと考えています。
リーグ・オブ・レジェンドの와드の種類
リーグ・オブ・レジェンドの와드はおおまかに次の種類があります。
数値はパッチで調整されることがあるので、目安として見てください。
| 種類 | 特徴 | 目安の数字 |
|---|---|---|
| 투명와드 (トゥミョンワドゥ、ステルスワード) | 設置後に透明になり、時間がたつと消える | 視界半径900、持続は約90秒から120秒 |
| 제어와드 (チェオワドゥ、コントロールワード) | 敵のワードを無力化し、自分は目に見える | 価格75ゴールド、持続は壊されるまで |
ステルスワードを置くトリンケットはチャージが2回あるタイプで、再使用までの時間はレベルに応じて約210秒から90秒に短くなるそうです。
コントロールワードはマップ上に1人1個まで設置でき、持てるのは2個までとされています。
視界スコアという「見える化」
ゲームにはどれだけ視界に貢献したかを表す視界スコアがあります。
計算の基本は自分が置いたワードが生きていた時間1分につき1点、壊した敵のワードの残り時間1分につき1点です。
コントロールワードは期限がないので、残り1.5分として計算されます。
私が面白いと思うのは、「置いた数」ではなく「どれだけ長く生きて、どれだけ敵の目を奪ったか」で評価されるところです。
同じ場所に重ねて置いても点が伸びないという説明もあり、量より置く場所と時間が大事だというゲームの思想が見えます。
サポーターの役割との深い関係
ナムウィキではリーグ・オブ・レジェンドの公式の役割分類で、サポーターを示すアイコンが와드だと紹介されています。
これは私の側で公式画面を確認できていないので、断定は避けます。
ただ、サポーターが視界づくりの中心を担うポジションであることはプレイヤーの間でよく知られています。
「와드박다」の意味と成り立ち
ここを読むとゲームの用語がどうして掲示板やSNSの定番表現になったのか、その流れが見えてきます。
「박다」は「打ち込む」
「박다(パクタ)」は釘や杭を打つ、突き刺して固定するというニュアンスの動詞です。
ゲームで와드を置く動作に使われ、「와드박다(ワドゥパクタ)」で「ワードを置く」になります。
「설치하다(ソルチハダ、設置する)」より、少し手荒で勢いのある響きがあります。
ネット上で「また見に来る印」になった
インターネットのコミュニティで、関心のある投稿をあとでも確認したい、あるいは通知を受け取りたいときにコメントを残す行為を、「와드박다」と言います。
コメントを残しておけば、返信が付いたときに気づけますし、自分のコメント一覧から元の投稿へ戻ることもできます。
この「見張りの目を置く」感覚が、ゲームの와드とぴったり重なります。
視界を確保する道具が、そのまま投稿を見張る印に見立てられたわけですね。
表記の変化 wardからㅇㄷまで
表記は英語のwardから「와드」へ、さらに子音だけの「ㅇㄷ(イウンディグッ)」へと短くなっていったと説明されています。
いつごろから使われ始めたかは正確にはわかっておらず、2017年の書き込みでも確認できるという指摘があります。
つまり、少なくとも数年単位でネットに根づいている表現です。
「ㅇㄷ」を使うときの注意
「ㅇㄷ」だけの短い書き込みは読む相手や場面によって別の意味に取られることがあります。
メッセージアプリのような私的なやりとりでは、とくに誤解されやすいです。
ですから、確実に伝えたいなら、「ㅇㄷ」より「와드」とフルで書くほうが安全だと私は考えています。
私が考える「박다」が効いている理由
ここは自分の考察です。
「남기다(ナムギダ、残す)」や「쓰다(ッスダ、書く)」ではなく、「박다」を使うところに、この表現の面白さがあると思っています。
コメントは一度残せば消えにくく、あとから自分を支えてくれる目印です。
杭を地面に打ち込んで固定するイメージとよく合うと感じます。これは言語学的に確認した話ではなく感覚的な仮説です。
「와드박다」の使い方と例文
ここでは実際にコメントや会話でどう言えばよいのか、活用形ごとに確認できます。
活用形のバリエーション
| 韓国語 | カタカナ | ニュアンス |
|---|---|---|
| 와드박습니다 | ワドゥパクスムニダ | ていねいに宣言する |
| 와드박고갑니다 | ワドゥパッコガンニダ | 置いていきます。定番の形 |
| 와드박아요 | ワドゥパガヨ | やわらかい口語 |
| 와드박았다 | ワドゥパガッタ | 置いた、と報告する |
| 와드박을게요 | ワドゥパグルケヨ | 置いておきますね |
「박고갑니다」は「置いて帰ります」の気軽な言い方です。コメント欄でいちばんよく見かける形だと思っています。
使える場面と避けたい場面
使いやすいのは友人同士の会話や、カジュアルなコミュニティの掲示板です。
反対に会社への正式なメールや、年上の方への改まった連絡には向きません。スラング由来の表現ですから、場の雰囲気に合うかどうかを考えたいところです。
自分の投稿には使わない
「와드박다」は他人が書いた投稿に対して使う表現です。
自分の投稿に自分で書くと不自然に映ってしまいます。
運動用語としての와드(WOD)
ここを読むとクロスフィットの와드が何を指していて、どう使われているのかがわかります。
WODはWorkout of the Dayの略
WODはWorkout of the Dayの略で日本語にすれば「今日の運動」です。
クロスフィットでは毎日のメニューをこう呼びます。韓国のジムではこれをハングルで読んで「와드」と言います。
始まりは2001年のウェブ投稿
クロスフィットの公式サイトによると最初のWODがCrossFit.comに投稿されたのは2001年2月10日です。
創設者のグレッグ・グラスマンが、ジムの会員から「このメニューをネットに公開したら」と言われたことがきっかけだという話も紹介されています。
ただ、この話には「噂では」という前置きがついています。

WODの中身
WODは代謝系のコンディショニング、ウェイトリフティング、体操(ジムナスティクス)の3つの要素から、1つ以上を組み合わせて作られます。
決してランダムな種目の寄せ集めではありません。
全員が同じ内容を自分のレベルで
ジムの用語集ではWODは1つのクラスで全員が同じ内容に取り組み、個人の能力に合わせて調整(スケール)するものとされています。
同じメニューを初心者と経験者が、それぞれの強度で行う。
これが仲間意識を生む仕組みでもあると感じます。
韓国で見かける表現
韓国ではジムでの会話やSNSで、次のような表現を見かけます。
- 오늘와드뭐예요?(オヌルワドゥムォエヨ、今日のWODは何ですか)
- 와드끝났어요(ワドゥクンナッソヨ、WODが終わりました)
- 와드하러가요(ワドゥハロガヨ、WODをしに行きます)
有名なメニューには名前が付いていて、「네임드와드(ネイムドゥワドゥ)」と呼ばれます。
たとえば「Fran」というメニューはスラスターと懸垂を組み合わせたものとして知られています。
와드を使いこなすための注意点
ここを読むと読み間違いや使い間違いを避けるポイントを押さえられます。
迷ったら周りを見る
意味の判断で迷ったら、先ほどの「そばにある言葉」を確認してください。
投稿やコメントの流れ、書き込んだ人が普段どんな話題を扱っているか、それだけで答えが見えてくることが多いです。
通知やコメント履歴を活かす
「와드박다」の本来の目的はあとで見返すことです。
サイトによってはブックマークやスクラップの機能があるので、そちらのほうが探しやすい場合もあります。
コメントが並びすぎて読みづらくなるという悩みもあるため、私は、無理に使わなくても困らない場面では控えめにするのがよいと考えています。
スラングだと理解して使う
ネット発の表現ですから、世代や使うコミュニティによっては通じないこともあります。
「ゲームをしない人には意味が通じない可能性もある」くらいの気持ちで使うと失敗が少ないです。
まとめ
- 와드(ワドゥ)はゲームの視界確保の設置物と、クロスフィットの「今日の運動(WOD)」の2つの意味で使われる
- ゲームの와드はウォークラフト3の警備用ワードが原型で、リーグ・オブ・レジェンドで広く定着した
- 「와드박다(ワドゥパクタ)」は、関心のある投稿にコメントを残し、あとで見返せるよう目印を置く行為を指す
- 「ㅇㄷ」は와드の略記だが、場面によっては別の意味に読まれることがあるので、確実に伝えるなら「와드」と書く
- 運動のWODは、001年2月10日にCrossFit.comで最初のメニューが投稿されたことが始まり
- 意味に迷ったら、「박다」「시야」なら遊び、「오늘의」「크로스핏」なら運動と判断する
意味を知ってから見直すと「와드」の一言に込められた「また来ます」という気持ちが、じわっと伝わってくる気がしませんか。
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