「N」の数字が意味不明で怖い?韓国の新造語「N포세대」の本当の意味

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この記事を読めば韓国語の新造語「N포세대(エヌポセデ)」の意味や成り立ち、実際の使い方までしっかりわかりますよ。

韓国のニュースやSNSで見かけて「これってどういう意味なんだろう」と気になった方、韓国語を勉強していて教科書に載っていない生きた言葉を知りたい方には、ぴったりの内容になっていると思います。

この言葉を最初に知ったときは「N」という数字が入っている珍しい造語だなと感じたのが印象深かったです。

目次

N포세대(エヌポセデ)の基本的な意味

まずはこの言葉が指している中身から見ていきますね。一言でいうと、経済的な負担の重さから多くのことを諦めざるを得なくなった韓国の若者世代を表す言葉です。

読み方と表記

N포세대は韓国語で「엔포세대」と読み、日本語のカタカナだと「エヌポセデ」に近い発音になります。

漢字表記だと「N抛世代」で、「抛(포/ポ)」は「放棄する、投げ出す」という意味を持つ漢字です。

日本のメディアでは「N放世代」や「N抛世代」と訳されることが多いですね。

ちなみに英語版ウィキペディアでは「N-po generation」として項目が立てられていて、直訳すると「N個のことを諦めた世代」という説明がされています。

「N」が表しているもの

このNは数学の未知数のNと同じ発想で使われていて、具体的な数字が決まっていないことを示す記号なんですよね。

韓国のオピニオン誌に掲載された解説によると、若者たちが諦める項目の数がどんどん増えていったため、特定の数字では言い表せなくなり、不定数を意味する「N」が採用されたと説明されています。

つまりN포세대は「もう何個諦めたか数えきれない世代」というニュアンスを持つ言葉なんです。

N포세대(エヌポセデ)という言葉が生まれた背景

ここではこの新造語がどうやって世の中に広まっていったのか、その流れを追っていきます。

きっかけは「三抛世代」という報道企画

この言葉のルーツは2011年、韓国の新聞社である京郷新聞の特別取材班が福祉国家をテーマにした企画シリーズの中で生み出した「삼포세대(三抛世代)」という言葉にさかのぼります。

取材班は三抛世代を

「不安定な雇用、学資ローンの返済、先の見えない就職準備、高騰した住宅価格といった過度な生活コストのために、恋愛も結婚も出産も諦めたり、期限なく先延ばしにしたりする青年層」

と定義しました。

つまり最初から社会構造への問題提起として生まれた言葉だったんですね。

三抛から五抛、七抛、そしてN抛へ

その後、諦める対象の数はどんどん増えていきます。

恋愛、結婚、出産の3つを諦めた「三抛世代」に、住宅の確保とキャリア(就職・出世)を加えた「五抛世代」、さらに夢や希望、人間関係まで手放す「七抛世代」という表現が次々に登場しました。

第一生命経済研究所のレポートでもこの流れは同じように整理されていて、五抛世代は三抛に就職とマイホームを加えたもの、七抛世代はそこに趣味や人間関係を加えたものだと説明されています。

ナムウィキの記述では2011年の三抛世代から始まり、2015年頃からN포세대という呼び方が定着していったとされています。

個人的には諦める項目がここまで具体的に積み上がっていく過程そのものが、韓国社会の若者が置かれた状況の深刻さを物語っているなと感じました。

参考:https://namu.wiki/w/N%ED%8F%AC%EC%84%B8%EB%8C%80

実際にどんな場面で使われる言葉なのか

ここではN포세대という言葉が実際のニュースや会話の中でどう使われているのかを見ていきますね。

対象になっている世代

この言葉は主に20代から30代の韓国の若者を指して使われます。

青年日報の記事ではN포세대は

「社会的、経済的な圧迫によって恋愛、結婚、住宅購入など多くのことを諦めた世代を指す用語で、諦めたものが多すぎて数えられないという辞書的な定義を持つ」

と説明されていました。

既存の3포세대(恋愛・結婚・出産の放棄)、5포세대(3포+マイホーム・人間関係)、7포세대(5포+夢・希望)からさらに進んで、諦めるべきものの個数が定まらず様々なことを諦めなければならない世代という意味からこの言葉が生まれたとされています。

データで見るN포세대のリアルな実態

数字を見るとこの言葉が決して大げさな表現じゃないということがよくわかりますよ。ここでは公的な調査結果をベースに実態を整理していきます。

未婚率の急上昇

国家データ処が2025年に発表した「青年の生活の質2025」報告書によると、25歳から29歳の未婚率は2000年の55.6パーセントから2024年には92.2パーセントまで跳ね上がっています。

30代前半でも約67パーセントが未婚という状況で、初婚年齢は2000年代初頭より5歳ほど上がり、第一子出産年齢は32.6歳とOECD加盟国の中で最も高い水準になっているそうです。

この数字を見たとき、正直かなり驚きました。

結婚や出産への意欲そのものが低下

聯合ニュースTVが伝えた国務調整室の調査では、未婚青年のうち今後の結婚を予定していると答えた人は63.1パーセント、出産の意向があると答えた人は59.3パーセントにとどまっています。

国会図書館がまとめた統計庁の社会調査分析でも19歳から34歳の青年のうち結婚を肯定的に捉える割合は36.4パーセントで、10年前の2012年の56.5パーセントから20ポイント以上も減少していました。

結婚をためらう最大の理由は「結婚資金の不足」で33.7パーセントを占めています。

N포세대は一枚岩ではないという研究結果

ここが個人的にすごく興味を引かれた部分なんですけど、韓国社会福祉学に掲載された「青年たちは何を諦めているのか」という分析報告によると、国内20代前半の青年は一律にすべてを諦めているわけではなく、タイプごとに分かれることがわかっています。

具体的には結婚と出産だけを諦める「結婚・出産放棄型」が50.4パーセント、すべての将来計画を持っている「未来計画型」が31.2パーセント、住宅購入や自己啓発など複数の要素を諦める本来の意味での「N포型」が18.4パーセントという内訳でした。

研究チームは結婚・出産放棄型とN포型を合わせると全体の68.8パーセントと非常に高い比率を占めていて、将来計画の放棄が青年の抑うつや不安、幸福感に影響を与えている以上、希望を持てるような集中的な支援が必要だと指摘しています。

この研究、あくまで一つの調査結果ではあるんですけど、N포세대という言葉を一括りのイメージで捉えるのではなく、内側にグラデーションがあることを示していてなかなか他では触れられていない視点だなと思いました。

まとめ

この記事のポイントを整理しておきますね。

  • N포세대(エンポセデ、漢字表記N抛世代)は経済的な困難から多くのことを諦めた韓国の若者世代を指す新造語
  • 2011年に京郷新聞の取材班が生み出した삼포세대(恋愛・結婚・出産の放棄)が起源で、五抛世代、七抛世代を経てN포세대という呼び方に定着した
  • 対象は主に20代から30代で、흙수저や헬조선といった言葉とセットで語られることが多い
  • 25歳から29歳の未婚率は2024年時点で92.2パーセントに達しており、統計面からも実態の深刻さが裏付けられている
  • 学術研究ではN포세대の中にも結婚・出産放棄型、未来計画型、N포型といったタイプの違いがあることが示されている

韓国語の勉強という視点で見ても社会の動きを反映して生まれた生きた言葉なので、ニュースや会話の中で出会ったときにすんなり理解できると嬉しいですよね。

この言葉を入り口に韓国社会が抱える若者の問題への関心を広げてみるのもいいかもしれません。

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