この記事を読めば韓国語「물러나(ムルロナ)」の意味や発音、丁寧さの切り替え、場面別の例文までまとめて理解できます。
ドラマで「물러나!」と聞こえて下がれの意味か分からなかったり、ニュースの見出しで見かけて辞めたのか引いたのか迷ったりしたことはありませんか?
この言葉は意味が一つに見えて、実は場面によって顔つきがけっこう変わります。順番にほぐしていくので、ゆっくり読み進めてくださいね。
물러나(ムルロナ)の基本的な意味と成り立ち
ここでは「물러나」がどんな形の言葉で中心にある意味は何かを整理します。読み終えると辞書で出会ったときに迷わなくなるはずです。
辞書形は「물러나다(ムルロナダ)」
「물러나」は動詞「물러나다(ムルロナダ)」の語幹「물러나」に、語尾の「아/어」が結びついた形です。
日本語にすると「退く」「下がる」「辞任する」といったところですね。
韓国語能力試験(TOPIK)では5、6級の動詞として扱われていて、決して初級の単語ではありません。
活用の一覧を見ると「물러나고、물러나는데、물러나、물러나서、물러나니、물러나면、물러난、물러나는、물러날、물러납니다、물러났다、물러나라」がすべて「물러나다」の仲間として並んでいます。
つまり「물러나」だけを覚えるより、辞書形とセットで頭に入れた方が応用が利くんです。
「나다」が作るイメージ
「나다」には「出る」という意味があります。ですから「물러나다」はある場所や立場から外へ出て離れていく、という感覚の言葉だと思います。
ここからは私の見立てですが後ろへ下がるのも、役職から離れるのも、「今いる位置から身を引く」という点で同じ動きなんですよね。
意味が複数あるように見えても根っこはひとつなのかなと感じています。
国語辞典に載る4つの意味
韓国の国語辞典には意味が大きく4つ並んでいます。
- 立っていた場所から後ろへ身を移すこと
- 目上の人の前にいてまた退出すること
- していた仕事や地位を手放して出ること
- 組まれていたものやくっついていたものの隙間が開くこと
最初の3つは日常でもニュースでも出てきます。
最後の「隙間が開く」は大工仕事や家具の継ぎ目のような場面の意味なので学習者が使うことはまずありません。
参考:https://ko.ichacha.net/korean/%EB%AC%BC%EB%9F%AC%EB%82%98%EB%8B%A4.html
발음(発音)はカタカナでどう書く?
ここでは「물러나」の読み方と、間違えやすい音の注意点が分かります。
「ムルロナ」と「ムルロナダ」
カタカナにすると「물러나」はムルロナ、辞書形の「물러나다」はムルロナダです。
表記ゆれで「ムルェナダ」と書かれることもありますが実際の音に近いのはムルロナダの方です。
ポイントは真ん中の「ㄹㄹ」です。
「ムル」と言ってから舌を上あごにつけたまま「ロ」へ続けるイメージで、「ムッルロ」と一瞬ためる感じで発音すると自然に聞こえます。
まあ、日本語話者にとっては「ル」を二回言いたくなる部分ですね。
活用形の読み方一覧
よく使う形をカタカナと一緒に並べます。
| 形 | ハングル | カタカナ |
|---|---|---|
| 反말(現在) | 물러나 | ムルロナ |
| 丁寧(現在) | 물러나요 | ムルロナヨ |
| 丁寧(依頼) | 물러나세요 | ムルロナセヨ |
| フォーマル | 물러납니다 | ムルロナムニダ |
| 過去(反말) | 물러났어 | ムルロナッソ |
| 過去(丁寧) | 물러났어요 | ムルロナッソヨ |
| 命令 | 물러나라 | ムルロナラ |
「납니다」は鼻音化して「ナムニダ」と聞こえるのがポイントです。個人的にはここを意識するだけでニュース番組の聞き取りが楽になりました。
聞こえ方のコツ
반말の「물러나」は語尾が短いので早口の会話だと「ムルロナ」がほぼ一息で流れます。
文の最後が上がれば「下がるの?」という疑問、下がれば「下がって」という指示に近くなります。
詳しい統計を取ったわけではないんですがドラマの台詞では声の強さで意味が決まる場面がかなり多い印象です。
丁寧さの使い分けと活用のコツ
ここを読むと相手との距離に合わせて「물러나」をどう変えればいいかが分かります。
반말の「물러나」を使っていい相手
반말の「물러나」は親しい友だちや家族、年下に対して使う形です。
目上の人や初対面の相手に向けると失礼に響くので、基本的には避けましょう。
さらに、同じ形が「下がって」という軽い命令にもなります。ただ、これは私の推測ですが命令として使うなら親しい間柄に限定した方が安心です。
丁寧に頼むなら「물러나세요」
誰かに下がってもらいたいときは「물러나세요(ムルロナセヨ)」が定番です。
さらにやわらかくしたいなら、「조금만 뒤로 물러나 주세요(チョグンマンティロムルロナジュセヨ)」のように「少しだけ後ろへ下がっていただけますか」の形にすると、角が立ちません。
イベント会場や撮影現場のアナウンスで、この形がよく使われると思います。
ニュースでよく見る形
ニュースの見出しでは「물러난(ムルロナン)」という連体形が頻出します。
「물러난 총리」なら「退いた首相」、「물러나는(ムルロナヌン)」なら「退こうとしている」というニュアンスです。
活用を知っていると見出しだけでも意味の流れがつかめるようになります。これ、思いのほか大きいんですよ。
体が後ろに下がる使い方
ここでは距離を取る場面で「물러나」がどう働くのかを、例文で確認します。
「뒤로 물러나다(ティロムルロナダ)」の基本
「後ろに下がる」を表す代表的な形が「뒤로 물러나다」です。
「뒤로」は「後ろへ」という意味なので、そのままの組み合わせですね。
たとえば「한 걸음 뒤로 물러서」のような表現とは別に、「반시뱀을 만나면 조용히 뒤로 물러나는 것이 좋다」という例文があります。
これは「ハブに遭遇したら静かに後退するのが良い」という意味で危険を避けるときに自然に使えることが分かります。
「방에서 물러나다」の礼儀正しい響き
「방에서 물러나다(パンエソムルロナダ)」は「部屋から退出する」という意味です。
辞書の2つ目の意味にあたる「目上の人の前にいて、また退出する」の流れを汲んだ使い方だと思います。
現代の日常会話ではあまり聞かない言い方なので、時代劇のような場面で出会うことの方が多そうです。
ここは肌感ですけどほんのり古風な響きがありますね。
季節や状況が「引いていく」使い方
意外なところでは季節にも使えます。
「겨울이 물러나고 봄이 오려나 봅니다」は「冬が過ぎて、春が来るようです」という意味です。
人の動きだけでなく、冬の寒さのような目に見えないものにも使えるんですよね。
こう考えると「ある場所から離れる」という感覚の広がりがよく分かります。
役職や立場から「辞任する」使い方
ここではニュースやビジネスで頻出する「地位から退く」の使い方を、具体的な例文で押さえます。
「~에서 물러나다」の基本形
辞める場所や立場を示すときは助詞「에서(エソ)」を使って「~에서 물러나다」とするのが基本です。
「자리에서 물러났다(チャリエソムルロナッタ)」は「地位から退いた」、「경영 일선에서 물러났다(キョンヨンイルソネソムルロナッタ)」は「経営の一線から退いた」という意味になります。
また「그는 임기를 모두 마치고 자리에서 물러났다」のように、任期を終える流れで使われることも多いです。
辞めるポストを直接示す形
職名を直接つなげる形もあります。
「교직을 물러났다(キョジグルムルロナッタ)」のように「~을/를」を使うと、「教職を退いた」という意味になります。
「현역을 물러나다(ヒョニョグルムルロナダ)」なら「現役を退く」です。
ちなみに「공직에서 물러나다(コンジゲソムルロナダ)」は「公職から退く」で政治家や官僚の話題でよく目にします。
自分の意志を伝える言い方
自分で退くと決めたときの表現も覚えておくと便利です。
たとえば「물러난다면 제 의지로 물러나겠습니다(ムルロナンダミョンチェウィジロムルロナゲッスムニダ)」は、「退くなら自分の意志で退きます」という意味です。
また、「10년간 이어졌던 감독직을 올해 물러나게 되었습니다」は「10年間続けてきた監督業を今年で退くことになりました」という意味で「~게 되다」を足すと、周りの状況でそうなった柔らかい響きになります。
個人的にはこの「게 되었습니다」の形がいちばん日本語の「退くことになりました」に近くて、使いやすいと感じています。
意見や立場を「譲る」使い方
ここでは「一歩引く」「譲歩する」という少し広い使い方と、使うときの注意が分かります。
「한 발 물러나다(ハンバルムルロナダ)」で一歩引く
「한 발 물러나다」は直訳すると「一歩下がる」ですが、実際には「一歩譲る」という意味でよく使われます。
「모두의 의견을 존중해서,한 발 물러나기로 했어(みんなの意見を尊重して、一歩譲ることにした)」のような例文が代表的です。
「골치아픈 문제들에서 한 발 물러나다」は「厄介な問題から一歩引き下がる」という意味です。
体の動きがそのまま心の動きに重なっている点がこの言葉のおもしろさだと思います。
否定形で強い意志を表す
辞書には「서로 자기 주장만 내세울 뿐 조금도 물러나지 않았다」という例文が載っています。意味は「お互い自分の主張ばかり押し出して、少しも譲らなかった」です。
「물러나지 않다(ムルロナジアンタ)」と否定形にすると、「引かない」「譲らない」という強い姿勢が出ます。
感情が乗りやすいぶん、議論の場面で効果的な表現だなと思いました。
使うときの注意点
使い方を間違えやすい部分をまとめておきます。
- 目上の人には反말の「물러나」ではなく「물러나요」や「물러나세요」を使う
- 辞任や引退の話は「~에서 물러나다」の形が自然
- 「물러나거라」のような古い命令形は、日常会話ではまず使わない
- 否定形は強い意志が出るので、場面を選ぶ
これは憶測ですがニュースで「물러나다」が辞任を求める場面で使われやすいのは、「自分から引く」という自発的なニュアンスがあるからではないでしょうか。
「解任された」と言うより、角が立ちにくい表現ですよね。
ドラマや時事で聞く「물러나」のニュアンス
ここを読むとドラマの台詞やニュースで聞いたときの受け止め方が分かります。
命令として聞こえる場面
反말の「물러나」や「물러나라(ムルロナラ)」は、強い口調の台詞として登場します。
「어서 물러나거라(オソムルロナゴラ)」は他人に指示するときの例として知られていて、時代劇で王や武士が部下に向けて言うような響きです。
現代劇なら危険な場面で「물러나!」と鋭く叫ぶだけで、緊迫感が伝わります。声の大きさと表情で意味がすぐに決まるんですよね。
責任を取る場面での重み
政治や企業のニュースでは「책임지고 물러나겠습니다(チェギムジゴムルロナゲッスムニダ)」のように、責任を取って辞める意思を示す場面で聞くことがあります。
この形は決意の強さが伝わる言い回しです。ただ、細かく検証したわけではないので断言はできません。
それでも、見出しで「물러나」が出てきたら立場を手放す重要な出来事だと受け取ってよい場合が多いと思います。
物語の中の「引き際」の表現
物語では勝負に勝った側が余裕を見せて立ち去る場面などでも、「물러나다」は使われます。
直接的な辞任や下がる動作だけでなく、「その場を後にする」という情景にもなじむんですよね。
こう見ると一つの言葉が体の動き、立場の変化、気持ちの変化の三つを一本の線でつないでいるのが分かってちょっと感動しました✨
まとめ
- 「물러나(ムルロナ)」は動詞「물러나다(ムルロナダ)」の反말形で、「退く」「下がる」「辞任する」を表す
- 主な意味は、後ろへ下がること、役職から退くこと、意見を譲ることの3つ
- 丁寧に言うなら「물러나요(ムルロナヨ)」「물러납니다(ムルロナムニダ)」、依頼なら「물러나세요(ムルロナセヨ)」が基本
- 辞任の話は「~에서 물러나다」、一歩引くなら「한 발 물러나다」の形が使いやすい
- 目上の人に反말を使わないことと、命令形が強く響くことに注意する
まずは「뒤로 물러났어요(ティロムルロナッソヨ)」と「자리에서 물러났습니다(チャリエソムルロナッスムニダ)」の2文を声に出して覚えてみてください。
それだけでニュースやドラマで聞こえてくる「물러나」の意味が、ぐっと自然に分かるようになりますよ。
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